セーフテイネット研究会が20日開かれ、私が生活保護制度についてレポートしました。参加者10人程度。神戸ワーカーズユニオンの役員が中心でした。相談会を開くと、派遣きりなどで職を失った人が多く労働相談というよりは、生活相談が非常に多くなっているということでした。日本における最大のセーフティネットは生活保護制度と言うことで、今回の学習会になりました。
生活保護制度は憲法25条に基づく制度で、生存権(憲法25条・国民は、健康で文化的な 最低限度の生活を営む権利を有する)を保障することが国の義務であり国民の権利であるとしています。そして、生活保護法第1条「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とし、保護を国民の権利として、保障を国の義務とし、国家責任を明確化しています。
したがって、基本原理に、保護請求権無差別平等の原理(法第2条)を定め、性別、社会的身分、生活の困窮に陥った原因の如何はいっさい問わず、経済的状態にのみ着目して保護を行うことを定めています。(戦前の救貧法などは・・不法、素行、勤労など怠ったものは対象にならず、差別扱いの原因になっていました)
また、申請保護の原則として、申請を受ければ即保護しなければならないとしています。したがって、窓口で、相談にとどめてなかなか申請を受け付けないのはこんな背景があるからです。したがって、保護を申請する人は口頭で申請するか、あとでのトラブルを避けるため、様式は関係なく、手書きでも申請することを進めます。
そして、必要即応の原則として、実施機関に、画一的な保護でなく個人の事情に即した保護を行うことを定めています。しかし、現状はケースワーカーの数に比べて、保護者の数が増え続け、1人で100件近くのケースをもっている例もあり、この原則に違反している自治体がほとんどです。
保護の種類は ア、生活扶助、イ、教育扶助、ウ、住宅扶助、エ、医療扶助、オ、介護扶助、カ、出 産扶助、キ、生業扶助、ク、葬祭扶助 の8扶助で、医療扶助、かご扶助以外は現金で交付されます。
事例では
神戸市に住む35歳の一人暮らし (月収70000円、家賃43000円)の場合
83700円(生活扶助)+42500円(住宅扶助)=126200円(最低生活費) 70000円(月収入)-18600円(基礎控除)=51340円(控除後収入) 12600円-51340円=74860円(生活保護受給額)
時間がなくなりました。またの機会に、いくつかの事例を紹介したいと思います。

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