2009年3月10日火曜日

生活保護の居所要件を打ち破った年越派遣村から学ぶ

 私が代表をつとめる原和美を国会に送る会は7日、私学会館で時局後援会を開きました。講師は年越派遣村の事務局をつとめた、全国ユニオン事務局長の阿部さん。年越派遣村は自動車産業などで派遣切りされた人々を可視化し、政治を大きく動かしたことが評価されています。

 派遣きりは政府の発表でもすでに15万8000人。民間調査機関ではこの3月末で40万人を超えると言われております。

 阿部さんの話によると、派遣村の取組み前に行われた派遣切りホットランでは、寄せられた相談の多くが、期間満了前に突然雇用を打ち切られ、年末に宿舎まで出なければならない相談が多かったと言うことでした。切られた派遣労働者の多くが、「とにかく東京で仕事を探す」と言っていたということが、きっかけになって、東京で派遣村をやろうと言うことになったと言うのです。

 その目的は派遣切りされた労働者をまとめることによって、全国にこの実態を知らせること、また日比谷公園で開村することで、国会、厚生労働省への圧力をかけ、政治を動かしたいとの思いがあったと言うことでした。

 集まった被災者は500人を超え、それをサポートしたボランティアは1500人を超え、カンパは6000万円集まったそうです。
 特に、居宅保護が日比谷公園内派遣村で、千代田区役所で認めたれたという画期的な成果をあげています。生活保護申請は水際ではねられるケースが多く、特に居所がない場合はそれだけで跳ねられるケースがほとんどです。とにかく、住むところを決めてきてくださいと言うことが、路上で生活する人や家を失った人にとって大きな壁になっていました。

 今回の派遣村は、この居所要件を打ち破ったことは大変な成果です。そもそも、生活保護法では、この居所要件の根拠はなく、どの行政単位の窓口が担当するかのための、事務手続き上の問題です。これを要件のように振りかざして、路上生活者の保護を難しくしているのが現状です。

 今回の派遣村が生活保護での居所要件を打ち破ったことは今後の生活保護申請の1つの大きな壁を取り除いたと言えます。

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